花が・・・ない!?
加満田の客室には床の間があり、生花が飾られている。
これを飾るのは女将の仕事である。
(というより、女将しか花を活けられないわけね)
全館休業日以外で女将が店を空けることはめったにないが、
そういう時には、予め花を花器に活けて、
部屋に置くだけで済むように段取りしていく。
昨日は東京で所用があり、女将が午前中から出掛けた。
我輩が今日使う客室のセットを確認しに行くと・・・。
えっ!
・・・花がない・・・!?
客室係が持って行き忘れたのかと思って、
女将が用意しているはずの場所をみたが、花は無し。
そもそも、昨日使った部屋の花があるはず・・・と、
探せど見当たらず、あちこちに聞いて回った結果、
お勝手係のMさんが、なぜか綺麗に片づけてしまったことが判明。
さあ、どーする!?
一応、花はバケツにあるし、花器は倉庫にあるけれど、
何といっても、我輩は河童。
”花より団子、団子より酒”がモットーだから、
花を活けるなんてやったことがない。
だいたい我輩は、生け花の「投げ込み」というのを聞いて、
遠くから花瓶に向かって花を投げ入れるのだと思っていたくらいですぞ。
(これはかなり馬鹿にされました。輪投げじゃあるまいしって。)
しかし、今日に限って花がないってわけにもなあ・・・。
えーい、ままよ!
はい、やっちまいました。
長いのと短いのと葉っぱを入れりゃーいいんでしょ。
(あやめの季節で良かった・・・)
どうか、この部屋に入るお客様が、
我輩と同じ位お花に興味がありませんよーに!
昨日加満田に泊まったお客様のうち、
河童流生け花にあたってしまった方、
ごめんなさーい!!
(お部屋は言わないでおこっと・・・。)