かっぱもがんばる梅採りの日
1年1度、加満田では「梅採り」が行われる。
玄関近くにある梅の木から、梅の実を採って、
”梅酒”、”梅干”、”梅ジュース”の仕込みをするのだ。
従業員総出の一大イベントなのである。
当日、天気予報では雨の予報だったが、昼間は幸い好天に恵まれた。
板長と番頭さんが木に上り、我々は青いビニールシートを広げて、
両腕を高く上げて頭上に掲げる。
結構つらい姿勢だが、頭上に掲げていないと、
頭に梅の実の直撃を受けることになる。
これはかなり痛い。
我輩にとって、頭のお皿は命にかかわる大事な物なので、
しっかりガードしないとね。
採れた梅の実は、調理場に運んで、よく水洗いする。

傷んだものは捨て、大きさや熟し具合で、
”梅酒用”、”梅干用”、”梅ジュース用”、”梅ジャム用”に選別する。
”梅ジャム”は豊作の年しか作らないのだが、
昨年に引き続き、今年も大豊作。
「今年は裏作のはずだったのに、気象の影響かなあ?」
と、女将が首をひねっている。
洗い終わった梅の実を拭いて乾かし、今度はへたを取る。
竹串や金串で一個一個取っていくとーっても地味な作業。

この作業はやっぱり板前さんが、ダントツ早い。
何事も修行ですなー。
へたを取った梅の実は、剣山の上を転がして傷をつけ、
重さを計って、氷砂糖とリカーで漬け込めば・・・
皆様の食前酒用「梅酒」の仕込み完了!

いやー、壮観ですな。
今年の仕込みは、
梅酒75kg
梅干35kg
梅ジュース用冷凍してある梅16kg
廃棄約3kg
計 129kg!!
しかも取り損ねた実がまだまだ枝についてる。(ひぇ~!)
女将が始末するようになってからの最高収穫量だそーです。
日頃から、身体を使って仕事している面々は、ケロリとしているけど、
気の毒なのは板長。
木に上ったり、太い竹棒を振ったり・・・と、
普段使わない筋肉ばかり酷使した結果、
全身筋肉痛で、包丁を持つ手がぷるぷる震えておりました。
えっ?我輩はどうかって?
若いから全然大丈夫♪
「嘘おっしゃい!
こっそり、マッサージに予約入れていたでしょ!」
あーん、ばらしちゃだめ!