ピトレスクを観てきました
久しぶりに、東京で観劇をしてきました。
観てきたのは、「ピトレスク」。
題名を聞いて、”ああ、あの作品ね”と思った方は、
たぶんいないんじゃないかなあ。
新作のオリジナル・ミュージカルだし、
上演期間も1週間と短かったし。
劇場に行くと、芝居のチラシの束をもらうでしょ?
偶然手にしたこの公演のチラシを見て、
”絶対、観た~い!!”
と思っちゃいました。
理由は、その出演者。
まるで異種格闘技のような、そうそうたるメンバーだっだんです。
いまやシャンソン界を代表するクミコ。
オペラ界の怪人(?)ソプラニスタの岡本知高。
ミュージカル界からは我輩の大好きな保坂知寿と
若手実力派中川晃教。
宝塚出身の彩輝なおと風花舞、美鳳あや。
ダンサー、振付師としても活躍する舘形比呂一。
なんかすごくない?
でもねー、上演期間が春休み中の一週間。
それも忙しい月末月初。
”無理かなー?”と思っていたところ、3日にお休みがもらえた。
なんとかチケットをGETして、観てきたわけだけど、
いやー、良かったっす。
やはり実力のあるキャストが揃っているから、
歌も踊りも安心して観ていられるし。
作品も重いテーマを扱っているんだけど、
あくまで、SHOWの形をとっていて、テーマの押しつけ感がない。
舞台はナチ占領下のフランスで、ユダヤ人、ロマ、同性愛者に対する迫害と
それに抵抗する人々を描いている。
抵抗は武力で行われるのではなく、絵画、歌、ダンス、笑いで構成された、
”忘れられないほど美しいもの”-ピトレスクーによってなされるのだ。
作・演出の小林香さんというのは、新進の若手演出家らしい。
作曲家でもあり、”SHOW-ism”と題して、新作を発表しているようだ。
知らなかったが、以前我輩が観た「TATTOO14」も彼女の作品であった。
偶然にも千秋楽とあって、終演後、出演者の舞台挨拶があったんだけど、
さすがに、クミコや岡本知高は数多くのライブをこなしているだけあって、
ステージでのトークも、かなり面白い。
宝塚出身の人は、だいたいにおいて優等生的な発言。
保坂さんは、すっかり姉御の風格が出ておりました。
(あの人も50過ぎたんだもんなぁ・・・)
我輩が全然知らなかった出演者は二人。
JKimという韓国人の女優さんと三井聡という若手ダンサー。
JKimさんは劇団四季でキャッツのグリザベラを演じたこともある実力派。
どーりで、素晴らしく迫力のある歌声。
我輩、圧倒されましたぞ。
三井君もそうそうたるメンバーに負けじとがんばっている感じでした。
この作品、たぶん再演するんじゃないかな。
我輩の後ろの席にいた奥様なんて、
「今日で3回目なの。
観るたびに発見があるわー。」
って言っていたもの。
1週間しかない公演を3回観る人って、
たぶん誰かのファンなんだろうけどね。
その時間とお金が羨ましいなあ・・・と、
ちょっぴり思ってしまったかっぱなのでした。
しかし、「小林香 作・演出」の作品は、今後要チェックですな。
舞台挨拶に出てきた本人は、小柄で少年のような感じの人。
我輩、なんとなく親近感を覚えてしまいました。
(理由は・・・我輩の正体を知っている方なら分かる!)